上司の一言で段取りが崩れる職場は、辞める理由になるか
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自分が組んだ段取りが、上の一言で毎回ひっくり返る。 手が空いている人ではなく、なぜか別の作業に入っている人が呼ばれる。 そのたびに、二人分の仕事が止まる。
こういう職場は、じわじわ削られます。厄介なのは、これが辞める理由として人に説明しにくいことです。 給料が低いわけでも、残業が異常に多いわけでもない。 「なんとなく効率が悪くて、嫌になった」としか言えない。 それで「自分が甘いだけかもしれない」と思って留まっている人は、たぶんかなりいます。
自分は金属加工の現場に28年いて、今は人に仕事を割り振る側にいます。 その立場から言うと、これは甘えではなく、構造の問題です。 何が起きているのかを分解して、辞める・残るをどう判断すればいいか、 次の職場で同じことを踏まないために面接で何を聞けばいいかまで書きます。
1. 起きているのは「責任は下、決定権は上」のズレ
よくあるのは、こういう形です。
- 現場では、誰に何をやらせるかを事前に組んである
- そこへ上から指示が入る。手が空いている人ではなく、別の作業に入っている人が呼ばれる
- 呼ばれた人がやりかけていた作業は、空いていた人が引き継ぐ
- 引き継ぎの説明が発生し、どこまで進んでいたかを確認し直す時間も乗る
- 結果として、二つの作業が両方遅れる
一つひとつは小さいロスです。でも毎日起きると、現場の時間はどんどん溶けていきます。 そして遅れの責任は、段取りを組んだ側に返ってくる。 決めたのは上なのに、間に合わなかった説明をするのは現場です。 このねじれが、一番きつい部分だと思います。
2. これは、あなたの能力の問題ではない
段取りが下手だから回らないのか、決定権が無いから回らないのか。 ここは分けて考えたほうがいい。混ざったままだと、いくらでも自分を責められてしまいます。
見分け方は簡単で、自分の組んだ順番のまま一日動けた日、仕事は回っているかです。 回っているなら、能力の問題ではありません。 上書きが入った日だけ崩れているなら、原因は上書きの側にあります。
これは能力の話ではなく権限の話なので、自分がもっと頑張っても解決しません。 残業してカバーすると、むしろ問題が見えなくなって長引きます。
3. 「効率が悪い」は、辞める理由として弱くない
ただ、勢いで辞める前に切り分けておくと、あとで楽になるものが3つあります。
① 嫌なのは、仕事の中身か、会社の空気か
これは全く別の話です。中身が嫌なら、職種を変えないと次でも同じことになります。 空気が嫌なだけなら、同じ仕事のまま会社を変えるだけで直る可能性があります。
② その指示は、誰の判断で出ているか
直属の上司ひとりの癖なのか、その上まで含めた会社の決め方なのか。 人が原因なら、異動や退職で変わる可能性が残ります。会社の決め方そのものなら、待っても変わりません。
③ 自分に裁量が戻る余地はあるか
一度きちんとぶつかってみて、次から先に相談が来るようになったなら、まだ余地があります。 何度言っても何も変わらないなら、そこは変わらない場所です。 判断材料にするために、一度は正面から言ってみる価値があります。
4. 度を越えていると感じたら、自分で判定しない
割り振りが特定の人にだけ極端に偏る、明らかに無理な量を一人に寄せる、逆に仕事をほとんど与えない。 このあたりまで来ると、段取りの問題ではなくハラスメントの領域に入ることがあります。
厚生労働省は、職場のパワーハラスメントの代表的な言動を6つの類型で示しています。
- 身体的な攻撃(暴行・傷害)
- 精神的な攻撃(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言)
- 人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
- 過大な要求(業務上不要・遂行不可能なことの強制)
- 過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事をさせる)
- 個の侵害(私的なことへの過度な立ち入り)
防止のための措置は、大企業は令和2年6月1日から、中小企業も令和4年4月1日から、 事業主の義務になっています。
ただし、自分の職場のあれが該当するかどうかを、自分で決める必要はありません。 業務上の必要があるか、程度が相当か、で判断が変わる話で、 当事者が線を引ける種類のものではないからです。
各都道府県の労働局と労働基準監督署の中に、総合労働相談コーナーがあります。 全国378か所、相談は無料・予約不要・秘密厳守。 解雇や賃金だけでなく、いじめ・嫌がらせも対象です。
電話は 0120-601-556。 辞めると決める前に一度、社外の人に話しておくと、判断が変わることがあります。
5. 次の職場で同じことを踏まないために
ここが一番実用的なところです。段取りの決まり方は、求人票には絶対に書いてありません。 条件欄をどれだけ読んでも出てこないので、面接で聞くしかない。
- 「その日の作業の割り振りは、誰が決めていますか」
- 「現場の判断は、どこまで任せてもらえますか」
- 「急な差し込みが入ったとき、元の予定はどう調整していますか」
3つ目が一番効きます。「そのときは現場で組み直してもらう」と答える会社と、 「上が決めます」と答える会社では、入ってからの消耗が全く違います。
聞きにくければ「入ってからのイメージを掴みたいので」と前置きすれば、普通に答えてもらえます。この質問を嫌がる会社なら、それ自体が答えです。
求人票そのものの読み方は工場の求人票、どこを見れば手取りが分かるかにまとめてあります。
6. 動くと決めたなら
自分は28年、同じ会社にいます。当時は、今より悪いところに行くのが怖かった。 結果として辞めませんでしたが、それが正解だったかは今でも分かりません。 年齢と住宅ローンと家族があると、身軽には動けなくなります。
だから、まだ動ける人には、動いてみてほしいと思っています。 合わなければ、また変えればいい。一社で終わらせる必要はありません。
下は工場・製造業の求人を扱っているところです。登録は無料ですが、どちらも応募したあとに電話での確認があります。そこまで含めて考えてください。
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